第一話は、大学入試センター試験で国立の2大学がB判定だったにも
関わらず前期試験も後期試験も合格できず、どん底に追い込まれた
受験生の実話である体験談を紹介しました。(第一話はこちら)
今回は、浪人生となったK君の二度目の挑戦となる大学受験への道
標を、一緒に闘う家族の様子を交えながら書き記しますので、少し
でも受験生活の心の支えとなれば幸いに思います。
大学受験失敗と成功の体験談 第二話
決して裕福ではない家庭の状況であったために浪人することさえも
困難と思っていたK君でしたが、どうしても大学へ進学させてあげ
たいと願う家族の後押しがあり、浪人生活を送ることとなりました。
予備校の最大手である代々木ゼミナールへ通うこととなりましたが
自宅からは遠いため、親戚の家に居候しての通学です。そのために、
月々の食費だけでも親戚の家へ入れないと肩身が狭いということで
代ゼミが終わってから3時間ほどのバイトをし始めました。
最初の頃は勉強とバイトの両立が上手くいかず、四苦八苦しながら
頑張っていましたが、まだ高校卒業したばかりのK君ですからモチ
ベーションが持続せず、受験勉強へ身が入らないという事態に。
代ゼミより毎月の出席状況や模試などの結果が家族のもとへ送られ
てきます。最初の二ヶ月間は、成績が上がるということはなかった
のですが、成績が下がるということもありませんでしたし、無遅刻
無欠席でしたので、家族としてはとりあえず頑張っているんだろう
と思っていました。
しかし、三ヶ月目より欠席が目立ちはじめ、成績も下り坂・・・。
父親は病気がちでありながらも、息子を浪人させるために日本政策
金融公庫より融資を受けていたため、普通でさえ苦しい生活なのに
益々厳しい状況となっていましたので、怒り心頭でK君のもとへと
向かい、説教してしまいました。
するとK君が逆ギレ
家にお金がないから僕がバイトすることになったんだから、毎日の
勉強に集中できるはずがないだろ。浪人生なのにバイトさせている
家族が悪いんだから親の責任だろ・・・。
父親としては分かっているんだけれども、どうしようもない現実と
なっていましたから、返す言葉もなく帰路につきました。
受験という壁にぶち当たっているK君と、経済面にて全てをバック
アップすることのできない家族の心の葛藤、このままでは再び同じ
結果となるかもしれないという不安が入り混じり、精神的にも肉体
的にも最低の状態です。
そうこうしているうちに夏が終わり、受験への臨戦態勢となる秋を
迎えることとなりました。
第二話ここまで
第三話はこちら